画家・内田あぐり AGURI UCHIDA

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「反発から生まれる技法」 (1980)

text : 内田あぐり
横たわる裸婦

内田あぐり
横たわる裸婦 1979 81,0×117,0cm
雲肌麻紙、岩絵具、墨、箔、膠

 数年来、人間をテーマにして制作をつづけていますが、粉飾された現代社会の中でその社会に触発されながらも、したたかに生きていく人びとが、私自身とのかかわりあいを通して、もっとも大切な素材となっています。
 人の種類にも水性の人と、油性の人と、二通りあるとすれば、私はどちらかというと前者に属する方で、乾いた絵具の粉や粒子を膠水で溶くことは、私の体質にとても合うのです。
 一つの表現手段として、現在、微妙な地肌を持つ麻紙と日本画の筆と絵具を用いていることが、今かかかえているテーマと必然的なつながりがあると思います。
 「日本画」というものを描きはじめた動機も、ただ絵が好きで美術大学に行きたいということで、倍率のいちばん低い日本画学科を受験したというだけでした。大学では、日本画の基本的な知識を教えられ、今でも私の制作過程で、必要なものとなっていますが、「日本画」を描いている意識はないように思われます。
 日本画の素材(絵具・技法など)が繊細な故に、絵画の成り立ち方や表現が甘く情緒的なものに陥りやすいことに対しての反発から、暴力的に自分の作品を扱い、結果的にそれが私の技法となります。
 これからも、テーマを自分自身の内部で執拗に追求し、自分の絵画を組み立てて行きたいと思います。

(うちだあぐり 作家)
初出:絵を描く材料・日本画 美術手帖増刊号/1980年4月号初版
(後に日本画・材料と表現 美術手帖増刊号として復刊/1982年3月15日 発行:美術出版社)

女たち

内田あぐり
女たち 1978 180,0×180,0cm
雲肌麻紙、岩絵具、墨、膠

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